業務改善!Windows PowerShell入門

Windows PowerShellで、とにかく楽をしたい!実際に仕事で楽になった事、便利になった事を紹介しつつ進めていきます。

PowerShell Oracleデータベースを操作しろ!#2

Windows PowerShellポケットリファレンス改訂新版 3.0/2.0/1.0対応 (Pocket reference) [ 牟田口大介 ]

 

Oracleデータベース操作についての記事、第2弾である。

 

▼前回の記事はこちら。

PowerShell Oracleデータベースを操作しろ!#1 - 業務改善!Windows PowerShell入門

 

今回はOracleデータベース操作における例外処理について触れたい。

第1弾ではとりあえず、「接続、データをぶっこ抜く」ということが主なテーマであった。そのため、最後にまとめたソースも例外(エラー)処理を全くかましていない状態である。

 

よって、今回は第1弾のソースに例外処理をかましていきたい。

 


例外処理とはどんなんや?

例外処理とは、プログラムが異常な動作をする場合にやる処理のことである。

そのため事前にエラーが起きそうな処理を想定して、何らかの処理を仕込んでおくことをすれば良いわけである。

 

今回の例外処理では、Try~Catch~Finallyステートメントを用いた構造化エラー処理を使用する。

 

構文と流れはこうだゼ!

 

Try{
エラーが起きそうな処理
}Catch[エラーの型]{
エラー時にやってあげる処理
}Finally{
エラー有無によらず必ずやる処理
}

 

1.Tryブロックでエラー発生!

2.即座にTryブロックを抜けろ!

3.Catchブロックの処理に行け!

4.Finallyブロックの処理をやって終わり。

※エラーの型、Finallyブロックは省略可能。

 

どこに例外処理をかますんや?!

最低限のことだけを想定すると、例外処理かまさねばならんのは、以下の2点である。

・データベース接続

SQL実行

 

これを踏まえ、第1弾のソースを以下のように改修した。

 

#アセンブリのロード
Add-Type -AssemblyName System.Data.OracleClient

#////接続文字列の作成////
#Data Source:接続先
#User ID    :ユーザーID
#Password   :パスワード
#Integrated Security:Windowsアカウントの資格情報を認証に使うかどうか
$ConnectionString = "Data Source=orcl;User ID=system;Password=0000;Integrated Security=false;"

#OracleConnectionオブジェクトの作成
$OraCon = New-Object System.Data.OracleClient.OracleConnection($ConnectionString)

#Oracle接続確認
Try{
    $OraCon.Open()
    $OraCon.Close()
}Catch{
    Write-Host "DB接続エラー!" -ForegroundColor Red
    $Error[0].Exception.Message
    Break
}

#データセットの作成
$dtSet = New-Object System.Data.DataSet

#データテーブルの作成
$dtSet.Tables.Add("部門")
$dtSet.Tables.Add("従業員")

#SQL文の作成
$strSQL = @()
$strSQL += "SELECT * FROM SCOTT.DEPT"
$strSQL += @"
SELECT EMPNO,ENAME,DEPTNO,JOB FROM
    SCOTT.EMP
WHERE
    DEPTNO IN(10,30)
ORDER BY 
    DEPTNO ASC
"@

#データセットの全テーブルへの処理
$i = 0
ForEach($tb in $dtSet.Tables){
    
    #テーブル名を表示
    Write-Host "▼ $i 番目のテーブル" -ForegroundColor Yellow
    Write-Host $tb.TableName
    
    #OracleDataAdapterクラスを使用して、データの取得
    $data = New-Object System.Data.OracleClient.OracleDataAdapter($strSQL[$i], $OraCon) 
    
    Try{
        #データセットのテーブルに取得データを格納
        [void]$data.Fill($tb)
        
    }Catch{
        Write-Host "DB接続、またはSQLエラー!" -ForegroundColor Red
        $Error[0].Exception.Message
        $i++
        Continue
    }
    
    #テーブルのデータを表示
    $tb | Format-Table    
    $i++
}

 

Oracle接続確認」のときにかます

ソースの前半部分で、Oracle接続確認をしている。

ここにまずは例外処理をかましている。

 

#Oracle接続確認
Try{
    $OraCon.Open()
    $OraCon.Close()
}Catch{
    Write-Host "DB接続エラー!" -ForegroundColor Red
    $Error[0].Exception.Message
    Break
}

流れとしては、Tryブロックで接続成功したら、そのまま一旦接続を解除している。


もし、接続に失敗したら、Catchブロックに飛んでエラーの通知をした後、Breakキーワードを使って、以降の処理を実施しないようにしている。
(※成功時に何故、一旦接続解除をしているかはこの後すぐ説明する。)


さて、今回のOracelデータベース操作で大活躍しているOracleClient名前空間のOracleDataAdapterクラスだが、これは非接続型のデータベース接続方法である。

 

イメージは下図の通りだ。 

 

f:id:acoustic_groove:20171217003458p:plain

 

<非接続型とは>
「データベース接続、データ抽出、データセット保持、データベース接続解除」をまとめてやってくれる。

さて、このタイミングであるが、ソースの後半にあるFillメソッド実行時である。
明示的にOpen、Closeをしなくても良いのである。

楽だ。非常にありがたい!
だが、まとめて処理する前に接続確認だけはしておきたいゼ!
これが、前半に例外処理をかました理由である。

 

<接続型とは>
データベースの接続を確立した後、明示的に切断するまで、接続を維持し続ける。
面倒くさいが自分でOpen、Closeをやらないといけない。

 

 

以下は、まちがった接続文字列でOracleデータベースに接続を試みた場合の例外処理である。

 

f:id:acoustic_groove:20171217004525p:plain

 

「データセットの全テーブルへの処理」のときにかます

ここで例外処理をかます目的は、SQL文が間違っていた場合のフォローが主目的である。 前半で接続確認は一旦とれているので。

 

しかし、此処に来て接続できないことも想定されるので、プロンプトに「DB接続、またはSQLエラー!」と表示をするようにした。

どっちのエラーかはメッセージを見れば一目瞭然だからだ。

 

以下は、Oracleデータベースに存在しないテーブルにSELECT実行しようとした場合の実行結果である。

 

0番目のテーブルで失敗したら、しっかり例外捕捉したあと、Continueキーワードを使って、Try~Catchブロック以降にあるテーブルデータ表示をしない。そして、1番目のテーブル取得をするため次のループ処理をしたのが分かる。

 

f:id:acoustic_groove:20171217004744p:plain

 

$Error[0]について

Catchブロックに仕込んである$Error[0]だが、これが何かを説明しておく。
こいつは自動変数であり、発生したエラー内容が格納されているゼ!
配列になっていて、直近のエラーは要素番号0で取得可能だ。
常に要素番号0に最新のエラーがいらっしゃいます!

 

自動変数$ErrorExceptionにいるMessageというメンバでエラーメッセージが取得できる。

自動変数についてはこれまでの記事で何度も登場しているが、便利このうえない野郎である。

 


次回、第3弾は取得したデータセットのテーブルをファイルに出力する方法や、PowerShellのコマンドレットとの連携によるテーブルの二次加工について触れる予定である。


PowerShell、イエーイ!

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